外科開腹手術前に大動脈弁狭窄症と診断され大動脈弁置換術を先行させた2症例

摘要

現病歴：下血を主訴に来院した。大腸鏡検査で 進行直腸癌の診断で早期手術の必要があり，術前 検査力S進められた。術前検査で高血圧，腎機能障害，および大動脈弁最大圧較差139 mmHgの重度 大動脈弁狭窄症の合併を認めた（表1)。外科，麻 酔科，循環器内科，心臓血管外科の協議のうえ， 患者に周術期ハイリスクを伝え，患者本人の決定 で大動脈弁置換術を先行させ早期に外科手術を行 う方針となった。初診より15日後，術中，へパ リン投与により，腫瘍から直腸内への多量出血の 危険性もあり，外科医待機で大動脈弁置換術が行 われた。