デノスマプは骨粗鬆症とがん患者の骨関連合併症に有用！あらためて重複投与には注意しょう！

摘要

デノスマブ(Dmab)は，破骨細胞の分化や活性 化に必須なサイトカインであるRANKL(NF-kappaB 活性化受容体リガンド）に対する抗体であり，破骨 細胞の分化ゃ活性化を抑制し，骨吸収抑制効果を 示す。骨粗鬆症患者に対して，1回60mgを6力月 ごとに皮下注射する製剤（販売名：プラリア~R)が 広く認知されているが，骨粗鬆症の適応取得以前 から高用量の規格で別の適応を持っていた.その 適応とは，多発性骨髄腫による骨病変および固形 癌骨転移による骨病変である[1回120mgを4週 間ごとに皮下注射する製剤(販売名：ランマーク，]. わが国では，10-20万人のがん患者に骨転移が 発症しており，前立腺癌，乳癌，肺癌に多い.原 発癌種および溶骨性または造骨性病変にかかわら ず，腫瘍と骨組織の間の悪循環により，破骨細胞 の活性が亢進，骨吸収が異常亢進するため，骨折， 骨痛，脊髄圧迫などの重大な合併症を引き起こす. 骨吸収の異常亢進の抑制は，腫瘍と骨組織間の悪 循環を断ち切り，骨転移患者における骨関連合併 症の発現リスクを低下させると考えられ，Dmab の有用性がそこにある.今回は，多発性骨髄腫に よる骨病変および固形癌骨転移による骨病変を対象とした3つの臨床試験について紹介する.