薬学的視点からみた動脈硬化性疾患診療ガイドラインの活用 - 動脈硬化予防教室の紹介を含めて-

摘要

動脈硬化を進展させる高脂血症は,日本で約2,000万人程度と推測されているが,それ単独では,無症状であり,放置されているケースを考えると実際の数字の把握は,困難である.しかし,何らかの合併症を生じる危険性,また,実際合併症が生じた患者に治療の必要性を認識させることは,医療従事者の重要な役割である.近年さまざまな疫学的調査報告がなされ,エビデンスに基づく高脂血症治療の指標が明らかになりつつあり, 2002年に日本動脈硬化学会から動脈硬化性疾患診療ガイドラインが発刊され,患者に対する治療のインフォームドコンセントに利用できるようになった.