大学院博士課程における人材育成の現状と課題

摘要

1990年代の大学院重点化政策により，大学院博士課程の定 員と入学者数は急増したが，近年，入学希望者が減少し.修了 者の就職率も低い仗態にとどまつている。この傾向は，特に， 農業農村工学分野において顕著で，これが長期間継続すれば， 将来，大問題となるのは必定である。そこでまず，博士課程入 学者の年次変化を，全国規模，農学分野，東京大学，東京大学 農業S#工学分野，を対象に検討を行った。次いで，このよう な事態を招来した原因を，経済負担の増加と就職条件の悪化に 求め，それらの中身の分析を行った。また，事態の打開に向け ての東京大学の取組みと，東京大学大学院農学生命科，究科 の取組みを紹介し.最後に私見を述べてまとめとした。