「東南アジア産木材の樹種識別および産地特定技術に関する国際シンポジウム」の会議報告

摘要

違法に伐採された木材の市場での流通は，持続可能な森林経営からもたらされる木材を圧迫し，森林環境破壊につながると，世界的に大きな問題となっている。日本は他の国々に先駆けてG8のサミットでこの問題を提唱し，解決に向けた取り組みを行っている。平成19年2月に開催された「違法伐採対策推進国際セミナー2007」では，この問題に対する各国の取り組みが紹介された。このセミナーの中で，我が国の「木材表示推進協議会」の取り組みが紹介され，木材，木製品の樹種，産地の表示が，違法伐採対策のツールになるとして各国から高く評価された。しかし，それらの表示の正確性を科学的に証明するための検証方法については，具体的な手法はなく，今後，関係する各国の研究機関が共同で木材のトレーサビリティ確保のためのシステム構築と平行して，合法性、違法性を検証するための技術を開発していくことが強く求められている。