前立腺がん化学療法における磁性体ナノ粒子の効果

摘要

抗がん剤とマグネタイトナノ粒子の併用曝露による前立腺がん細胞の細胞生物学的な評価を主体に報告した。現在までに、ナノ粒子の大きさ、表面修飾等が細胞への取り込み、細胞毒性等に重要な影響を与える事が報告されている。一方、ナノ粒子を取り込んだ後に細胞におこる細胞内の各種反応は、細胞の特性、特にがん細胞の特性に基づくと考えられる。比較的単純なマグネタイトナノ粒子であっても、細胞毎にその反応は異なり、また用いる抗がん剤により、その効果は異なる。ナノ粒子の特性と細胞における反応との関係について分子生物学的レベルで解析する事が必要と考える。