軸受支持要素の温度特性を考慮したヘリングボーン動圧気体軸受の安定性（第1報,実験的検討）

摘要

近年，回転機械の小型化かつ高性能化が求められており，回転速度の向上が望まれている．このような高速回転を実現するために，油潤滑軸受に比べて粘性抵抗が小さく，高速回転に適した気体軸受が注目されている．その中でも，動圧気体軸受を用いることで，より小型化が実現可能であると考えられる．著者らは，へリングボーン動圧気体軸受を粘弾性体であるOリングで支持し，安定化を試みてきた．これまでは，0.5～8.0kHzの範囲においてOリングの弾性係数および減衰係数を測定し，この周波数依存性が軸受特性に及ぼす影響を検討してきた．しかし，軸受支持要素の物性は，温度によっても大きく変化し，軸受性能に影響を及ぼすように思われる．そこで本研究では，軸受支持要素の弾性係数および減衰係数の温度依存性を明らかにし，これらが軸受特性に及ぼす影響の検討することを目的とする．