JR東日本FASTECH360S（E954形式）の概要(1)

摘要

JR東日本では，お客さまへのサービスを向上して新幹線の競争力を維持·向上するために，「360km/hでの営業運転の実現」を技術開発上の目標として，走行速度，安全·安定性，環境適合性，快適性等のあらゆる分野で世界のトップレベルを目指した新幹線の開発を進めている．そのために，2002年4月に社内に「新幹線高速化推進プロジェクト」を設置して各種の要素技術開発や現有車両を使用した高速走行試験を実施してきたが，それらの成果を全体のシステムとしてまとめ上げて実環境·実負荷のもとで総合的に評価·検証するために，専用の高速試験電車（新幹線専用車両E954形式，新在直通車両E955形式）を製作して走行試験を実施することにした．これらの高速試験電車は，360km/h運転車両のプロトタイプであると同時に，複数種類の先頭形状·主回路システム·台車を搭載するなどして，将来に向けて最適なスペックを見出す役割も担っている．本年6月初旬には，新幹線専用車両のE954形式（6M2Tの8両編成）が落成し，同月末から東北新幹線仙台～北上間で各種走行試験を行っている．