「配管の防錆と塗装」特集：配管の短期防錆－錆の原理、鋼管の表面処理、防錆処理について

摘要

今日、私たちは様々な産業設備、機器を使用しているが、これらには必ずといってよい程配管が使用されている。 内部を液体（油脂類、水、化学物質など）、ガス（空気、酸素、窒素、水素、有機系ガス、特殊ガスなど）、固体（樹脂、粉体など）など様々な物質が流れ、あらゆる産業に利用されているといっても過言ではない。 使用される材質も鋼管（鉄鋼）、ステンレス鋼管、アルミニウム管、銅管、チタン管、特殊合金など目的に応じて様々な材質が使用されている。 これらは使用前、加工され、表面処理され、使用に供されている。 この中で鉄はその資源が豊富で、僅かな化学組成の変化や、熱処理、冷間加工などで好みの硬さと強さがえられ、しかも大量に供給され、、金属材料としそ安価であるなどの利点を持っているため、膨大な量の鉄鋼が使用されている。 しかし鉄は自然の大気中においても錆びやすく、錆びるにまかせておけば、ぼろぼろになって使いものにならなくなるという最大の欠点をもっている。 錆による障害は、①そのまま使用すると剥離して、機器などの損傷の原因になる。②錆で内部の欠陥が隠れてしまう。 ③金属に局部電池を形成し、内部腐食の原因になる。 ④参加工性を損し、また寸法がくるってくる。 ⑤表面の美観を損し、商品としての価値が低下する。 など様々な障害が考えられ、いかに防錆処理をするかが、重要な問題となってくる。 そこで表面処理のメーカーの立場で、錆の発生機構、表面処理、防錆処理について以下述べてみる。