私たちの身の回りに存在している高分子材料に由来する製品のうち,最も身近なものというと繊維材料であり,またフィルム材料なのであろう.衣料用途から土木資材等の用途まで広範な繊維材料,食品等の包装用途から農業用途まで身の回りに存在するフィルム材料の製造技術は古くから研究され,そして実用化に至っている.紡糸·フィルム成形技術は高分子成形加工技術の中では最も歴史を持つ技術である一方,今なお最も盛んに世界的に研究が行われている分野でもある.本年,山形市で開催される国際高分子加工学会第22回年次大会(PPS-22)では全体で581件の研究発表が組まれている.そのうち一般のセッションの一つであるFilms and Fibersのセッションでは62件の研究発表が予定されている.これはセッション別では最大の発表件数であり,全体の約1割の件数に相当している.このように紡糸·フィルム成形は研究開発にも歴史はあるが,現在でも活発に続けられているのは,繊維素材,フィルム素材が私たちの生活に直結しているからであろう.
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