プラスチック成形加工の最近の研究動向：押出·混練関係

摘要

プラスチックス材料は，汎用樹脂，エンジニアリングプラスチックともに順調なあるいは急速な需要の伸びを示している．プラスチック材料の最近の研究動向を見てみると，新規材料の開発にはコストと時間がかかることから，既存の原料をコンパウンディング手法を用いて反応させたり，構造制御することで改質し，新たな特性を持ったポリマーを見出そうとする動きが活発化している．また，自動車製造業に見られるように，部品のモジュール化や金属製品のプラスチックへの代替といった動きは，成形品の寸法安定性と強度の向上を促すことになり，ガラスやカーボンの長繊維複合材料を用いた成形手法の開発を促進させている．さらに，環境に配慮し，カーボンニュートラル適合素材として認知されつつあるポリ乳酸や，天然高分子，天然繊維等を含んだ成形加工の研究や，「ソルベントレスプロセス」への展開も可能となる超臨界流体を利用したプロセスの開発も活発に進められている．そこで本稿では，これらの大きな流れの中に位置する最近の論文·報告の中から筆者らが興味を持ったものを紹介する．