最新！小児放射線領域のテクニック:「児童虐待について」

摘要

近年、児童虐待のニュースを見る機会が多い。厚生労働省が発表している全国の児童相談所への児童虐待相談·対応件数も年々増加傾向にあり、平成2年は1，101件だったが、平成24年度には66，701件と60倍となっている（図1）。児童虐待の相談件数が増加した背景には、家庭環境が核家族化し、地域社会とのつながりが希薄化してきたことにより、相談できる相手がいないという不安や孤立、経済的な不安定や離婚などによる家庭崩壊、また、マスメディアなどの普及や報道により児童虐待の認識が高まったことが考えられている。平成12年には、児童虐待防止法が制定され、国民が児童虐待を発見した場合には通告しなければならないという義務が明記された。その後、児童虐待防止法·児童福祉法の改正が行われ、虐待対応への強化、安全確認のための強制的な立ち入り調査、予防に関するサービスの拡充などが法律に盛り込まれている。