中国水産養殖業の産業化政策と「合作社」組織

摘要

中国の漁業は1990年代末から、生産の安定 期に入り、従来の「粗放型」生産から「集約 型」生産へ転換し、より高い生産効率と経済利 益の漁業を実現するために、漁業の産業化政策 が注目され始めた。そして2000年に入ってか ら、養殖業が漁業構造の再編の中でますます重 要な位置を占め、大きく成長してきた。中国に おける養殖業の成長を支えるようになったのは. 漁業法において養殖業の振興が漁業振興の主要 方針として位置づけたことも特筆すべき事項で はあるが、それを具体化する主要政策としての 産業化政策もきわめて重要な役割を果たしてき たことについては、前稿（姜書「中国水産養殖 業の産業化政策と『龍頭企業』」、『月刊漁業と 漁協』第50巻第11号、2012年11月）にお いて述べた。そこにおいては、産業化政策の重 要な柱である「龍頭企業」政策を取り上げたが. 本稿ではそのもう一つの政策的柱である「合作 社」政策を取り上げることにする。