CLP誘発ラッ卜敗血症モデルにおける 播種性血管内凝固症候群(DIG)および 臓器障害に対するThrombomodulin alfaの作用

摘要

敗血症は,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation ： DIC)を合併する代表的な 疾患であり,敗血症にDICを合併した患者は予後 が悪いことが報告されている2).敗血症に合併した DIC (敗血症性DIC)では,全身性の著しい炎症に 伴う凝固活性化と線溶抑制が共存するため,微小血 管内に血栓形成が多発し,末梢の微小循環が障害さ れる.末梢の微小循環不全は虚血性臓器障害を引き 起こし,最終的には多臓器不全に至るとされる. したがって,敗血症性DIC患者における臓器障害の 予防や予後改善を目的として,抗生物質をはじめと する敗血症治療に加えて,DIC治療が行われる.