アドレス衝突時のMPR誤選択を考慮した重複アドレス検出法の検討

摘要

モバイルアドホックネットワーク(MANET: Mobile Ad hoc NETwork)を構築する上での重要課題として端末への一意なIPアドレスの割当や重複アドレスの検出(DAD)が挙げられる．ルーティングプロトコルの制御メッセージの矛盾を利用することで重複アドレスの検出を行うパッシブDAD (PDAD)方式では，制御メッセージの伝達失敗が重複アドレス検出に対し大きな影響を与える．特にルーティングプロトコルOLSRv2では，アドレス衝突時に起こる誤ったMPR選択によりTCメッセージの伝達が妨げられ，衝突の検出や解決が不可能な場合が考え，られる．本稿では，アドレス衝突に基づくMPR誤選択を考慮し，以前に提案を行った重複アドレス検出方式SPDADの改良を行い，新潟大学で実装を行ったOLSRv2であるnOLSRv2に対してこの機能を追加し，正常動作を確認した．また，他に提案されているPDAD-OLSRアルゴリズムとの比較を行い，素早くアドレス重複の解決が行うことが可能である事を示した．