物質科学·生命科学·情報科学を総合して21世紀を先導する化学者ホワイトサイズ教授に聞く

摘要

-本日は,ホワイトサイズ先生にご自身の研究や教育,化学の役割やそれと社会の関係などについてお尋ねしたいと思います.先生は基礎から応用まで,非常に幅広い領域で研究しておられますが,基礎研究あるいは応用研究について,どちらが好き,あるいはどちらかを優先されているということはありますか.ホワイトサイズ教授(W):まったくそのような区別はしていません.でも,いい研究と悪い研究の区別はしています.というのは,基礎研究も面白ければ応用に展開されるわけですし,応用研究も根源的な疑問を提示する特性をもっているわけですから,それらは手に手を取って進んでいくわけです.われわれの研究は,まず何か面白いものに対する好奇心から出発します.その課題で研究して10-20年後には企業で応用される場合もありますし,一方,応用研究を行う中で基礎的諸問題が出てきて,そこから化学や物理に戻っていく,という研究もあります.ですから,研究室ではどちらの研究も行われています.