コンブが生えた！一磯焼け域におけるコンブの海中造林一

摘要

積丹半島以南の北海道日本海沿岸は、かってコンブ もゥニ、ァヮビも安定した収穫があり、春には群采と いって二シンが産卵のため大量に来遊した。しかし、二シンが幻の魚になってすでに50年以上、二シンの消滅 と前後してコンブの収穫量も著しく低下した。ゥニ の生産も、かっては大部分がェゾバフンゥ二であった が、現在では暖流系のキタムラサキゥ二が中心となつ た。さらに、より暖流系の、生食にはむかないバフン ゥ二が日本海全域に分布するまでになった。コンブの極端な減産は、群落の著しい縮小が原因で ある。岩礁海底では、かっては藻場、海中林を構成す るコンブ類やヒバマタ類など直立する大形海藻が水深 4-5mまで生育したといわれる力s'、今では水深Om 付近に限定されるか、まったく認められない。海底は、 炭酸力ルシゥムを大量に含む紅藻無節サンゴモ類でい ちめんおおわれ、キタムラサキゥ二が平均10個体/m2 前後の高密度で生息しているので、いちめん真っ白い 海底に多数の黒い点が遠目にもはっきりわかる。磯焼け である（図1)。しかも50年以上も続いているのだ。海 中林に生活を依存する多くの魚介類も消失したため、 地域経済にとって非常に重大な問題となっている。