優れた多機能肥料「石灰窒素」と 土壌病害虫防除

摘要

1840年ドイツの科学者リ一ビッヒ氏が無 機栄養論を出版され、そして1843年に製造 された過燐酸石灰肥料が化学肥料の第1号で あると云われています。石灰窒素の誕生は、過燐酸石灰に次いで ,1901年（明治34年）1月14日ドィッ人科学 者アルバ一ト、フランク氏らにより誕生しま した。石灰窒素の主成分であるカルシウムシ アナミドは土壌中で、アンモニアに変わるこ とを発見されたことで、窒素肥料としての用 途が提案されました。それから今日まで1世 紀有余の歳月を歩んできたことになります。当初は石灰窒素の研究は十分でなく、失敗 する例が少なくなかったようです。こうした 中で、最初に石灰窒素の研究成果とも云える ものは窒素肥料としでなく農薬といわれてい ます。1908年（明治41年）東京、西ヶ原農 事試験場（現農研機構、中央農業総合研究 センターの前身）で「茄子の青枯病」防除に 試験をされたところ、担当された卜蔵博士は 「素隋らしい成績でした」と氏は後年述懐し ておられたとのことです。やがて研究が進む につれ、次第にその施用効果が明らかにされ るようになりました。