13年連耱生産量ナンパ—1佐賀県(有明海)のノリ養殖

摘要

有明海は、広大な干潟と独特の生態系を有する生産性の高い豊かな海で、佐賀県のノリ養殖はその湾奥部で行われます(図ー)。本県のノリ養殖の歴史は新しく、本格的に養殖が始まつたのは昭和お年ごろです。その後、40年の養殖網の冷凍保存技術開発や§年代の全自動乾燥機の開発などさまざまな養殖.加工技術の革新を経て、酸処理技術が導入された平成5年には現在の養殖スタイルがほぼできあがりました。養殖方法は、一部の地域を除いて、潮汐に合わせて網の張り込み位置を変え、網に乾燥(干出)を与える支柱式(写真ー)であり、採苗した網を育苗してそのまま養殖する秋芽網生産期と、育苗時に冷凍保存した一部の網を再度養殖漁場に張り込んで養殖する冷凍網生産期の2期作で養殖が行われます。ノリ養殖の1年間の生産工程は、一般的に次の通りです。12月から3月にかけて、ノリの殻胞子(種)をつくる糸状体をカキ殻の中に穿孔させます。穿孔させた糸状体を4月から9月にかけて培養し、殻胞子をカキ殻の中につくらせます。10月中旬ごろになると、この力キ殻を落下傘と呼ばれる袋の中に入れ養殖網の下に吊して、海上で採苗します。