3歳以上で発見された発育性股関節形成不全(DDH)脱臼例の手術治療

摘要

3歳以上で発見された発育性股関節形成不全脱臼例に対して，観血的整復(Open Reduction ：以下，OR),大腿骨減捻内反骨切り（Femoral Derotation Varus Osteotomy ：以下，DVO)， 骨盤骨切り（Pelvic Oseteotomy ：以下，P0)を組み合わせた手術治療を行つており，その治療成績 を報告した.1983?2010年に手術治療を行った19例（男性3例，女性16例），22股(左側13例， 右側3例，両側3例）を対象とした.2股にOR(A群），3股にOR + PO(B群），17股にOR + PO + DVO(C群）を施行した.手術時年齢は平均6.2歳(3.1?：12.6歳）であった.術後追跡期間は平均8.4 年(3.0?：L4.4年）であった.再脱臼を4股に生じ，再整復手術を施行した.補正手術は，Salter骨盤 骨切りを2股(A群)，大腿骨骨切り（減捻/増捻?内反/外反?屈曲?短縮の組み合わせ）を6股(B 群3股，C群3股）で施行した.最終追跡時のSeverin分類で1-11が16股，III-IVが6股であつた. Severin III-IVの6股は，高年齢で臼蓋形成不全も強く ，ダブル骨盤骨切りやトリプル骨盤骨切り を行うべき症例であった.Severin I-IIの16股の多くに，mixed typeのfemoroacetabular impingement を 生じ， 股関節の屈曲制限や疼痛を生じていた.