全国歯学部?歯科大学病院における造影CT検査アンケー卜調査報告

摘要

造影剤を使用したComputed tomography (造影CT) 検査は，その診断能力の高さから日常的に多くの医療機関 で行われている。造影剤の副作用はさまざまで，全身的な 影響を及ぼすものや局所臓器に特異的に起こるもの，急性 型と遅延型などに分類されている1。造影剤の改良や造影剤の危険性に対する医療者側の意識の向上などにより副作 用の発生頻度は減少したとはいえ，副作用のなかには対応 法を誤ると患者を死に至ちしめるようなものもあり，その 使用には十分な注意が必要である。検査における副作用， アクシデントや検査前の患者の状態の把握，検査中，検査 後の患者の状態の変化を正確に診断?対処するには，万全 の検査体制を整えておくことが重要である。今回われわれは，全国の大学歯学部?歯科大学病院の造影CT検査にお ける検査体制についての現状や副作用の経験，対応策につ いて把握するためアンケート調査を行ったので，その結果 を過去のアンケート調査との比較と若干の文献的考察を加 えて報告する。