多発性硬化症におけるclinico-radiological paradoxの解明～q-space imaging based Myelin Mapを用いて～[大会長賞記録]

摘要

日本における多発性硬化症（multiple sclerosis: 以下 MS) の患者数は増加の一途をたどつ ており，可及的早期の診断と治療がより重要と なってきている.MSにおける脱髄の評価に は，revised McDonald MRI criteria (ANNALS of Neurology, 2010)においてもT_2-hyperin-tenseが用いられている.一方，MRIにおける 脱髄と臨床症状にはいわゆる"Clinico-radiological paradox" と呼ばれる乖離があるが，こ の問題は依然として解決されておらず放射線科 および神経内科における最大関心事の一つであ る.本研究の目的はq-space imaging (QSI) を応用した独自の髄鞘可視化法"Myelin Map" でMS患者の大脳および脊髄を撮像し，その 有用性と精度を検証することである.