特集①：分野別人間工学の現状と将来（2）*—鉄道分野における人間工学研究の現状と将来展望—

摘要

日本において，鉄道はきわめて身近な公共交通機関である.移動時の輸送手段別分担量を示した統計資料1）によると，日本では鉄道が全体の36%を占めている（ちなみに乗用車が49%で最大）.これはフランス（11%），イギリス（8%），ドイツ（7%），アメリカ（1%）等の欧米諸国と比較してもきわめて高い値である.このように身近な鉄道システムをさらに安全で快適な乗り物とするために，人間工学は大きな役割を果たしてきた.