人間工学分野における「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」ヘの対応1

摘要

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針1)(以下,新統合指針)」が2014年12月に制定され,翌年4月ょり施行された.国内の倫理指針としては,これまでは「疫学研究に関する倫理指針」(平成19年文部科学省?厚生労働省告示第1号)と「臨床研究に関する倫理指針」(平成20 年厚生労働省告示第415号)が存在した.近年の研究の多様化に伴い,両指針の適用関係が不明確になってきたため,2013年2月ょり文部科学省おょび厚生労働省の合同会議において見直しの検討が開始された2).また近年では,降圧剤に関する臨床研究不正や国内の麻酔学者が過去20年に渡り172本の論文でデ一タをねっ造していた不正行為が明るみになるなど3),学術コミュニティに対する社会からの不信?疑念が寄せられていることも踏まえ,見直しが進められてきた.