二層式ピストンシリンダー型高圧発生装置の開発

摘要

物質の圧力効果の研究は，古くから行われ，物性研究において重要な研究手段のひとつである．特に近年，強相関物質の研究においてその重要性が指摘され多くの研究室で圧力効果の研究が行われるようになってきた．このような背景にほ，これまで多くの研究者による絶え間ない測定技術の向上により，圧力下での物性研究が，常圧下での物性研究と同等の精度で測定できるようになってきたことが挙げられる．圧力発生装置は，その日的により，いろいろな装置が開発されてきている．代表的な装置として圧力発生領域を大きく取れるピストンシリンダー型，中程度の圧力領域および発生圧力が得られるアンビル型（キュービックアソビル，対向アンビル），より超高圧が発生できるダイヤモソドアソビル型などが挙げられ，物性測定装置として開発されてきた．これらの中でも，ピストンシリンダー型圧力発生装置ほ，発生圧力が2GPa程度と低いものの，1cc程度の圧力発生領域?質の良い静水圧性?取り扱いの容易さなどから多くの研究室で広く使用されている．