四阿火山:成層火山体の開析地形とその利用*

摘要

四阿火山は長野?群馬県の県境に位置し,約80万年前?45万年前にかけて活動した大型の成層火山である. 環状に連なる稜線にょって囲まれた"四阿力ルデラ"と呼ばれる直径3 ㎞ほどの凹地が,地形的な特徴である.この力ルデラから流れ出る米子川の上流域には,厚さ150mに達する溶岩層が作る断崖絶壁が約1㎞も続き,不動滝や権現滝をはじめとする落差 70?80mほどの複数の滝が見られる.また,力ルデラ内には硫黄鉱床が存在し,1960（昭和35）年まで米子硫黄鉱山として採掘が続けられた.か周辺には,中世の山岳修験道に由来をもっ米子不動奥之院や但唱上人が木食行を行ったと伝えられる遺跡も存在する.本コ一スでは,四阿力ルデラ,産業技術総合研究所活断層．火山研究部門不動滝や権現滝といった成層火山体の開析地形とそれらを構成する火山岩類を観察するとともに,米子硫黄鉱山跡や米子不動奥之院といった人文的景観にっいても見学する.