鹿児島県北西部，久見崎層から産した前期白亜紀（Aptia′n期）放散虫化石とその下部白亜系層序対比における意義

摘要

鹿児島県北西部に位置する川内川の河口周辺には，新第三紀以前の堆積岩類が小規模に露出している（例えば，鹿児島県1953，1961｝1967）．このうち川内川河口の左岸に位置すくみざざる薩摩川内市久見崎町付近（以下，久見崎地域とする：Figl．A）には，泥岩や砂岩，礫岩等からなる下部白亜系の久見崎層が露出する（橋本ほか，1972）．．久見崎層については，橋本ほか（1972）による岩相層序や二枚貝化石群集の研究，寺岡（1978）による砂岩組成の解析，田中ほか（1999）によやつしろる軟体動物化石の研究があり，熊本県八代地域（Fig．1．A）.