シュードタキライトの選択的生成場－足助勢断帯の例－

摘要

シコードタキライトは断層の地震性すべりの痕跡として知られており（McKenzieandBIune，1972；Sibson，1975；Lin，1994など），シュードタキライトの発達する勢断帯の構造解析と空間分布を捉えることは，震源域における破壊の幾何学と運動学を含む断層活動の全体像を知ることにつながる（Swanson，1992）い　 また，シこぃードタキライトどマイロナイトが共存する小規模の延性一脆性勢断帯は，内陸性地震の震源域の破壊と変形のプロセスを検討する上でも重要であり，国内では畑川破砕帯でその検討がなされてきた（高木，1998；あすけTakagi et al．，2000；Shigematsu et al., 2004），．足助勢断帯 ǜ吣荆?997；高木ほか，2001）には，カタクレーサイトのほかにシュードタキライトおよびマイロナイトが密接に伴って産出し，この努断帯が破砕一塑性遷移額域で形成された可能性がある．本論文では，足助勢断帯のマクロスコピックな構造を記載し，同時に詳細な露頭マッピングに基づく調査から，露頭スケールの小勢断帯の幾何学とシェードタキライトおよびカタクレーサイトの出現との関係を明らかにする．また，足助勢断帯のマクロスコピックな運動像とテクトニクスを関連　 させながら，破砕一塑性遷移領域における勢断変形過程を復　元することを目的とする。