2011年東北地方太平洋沖地震からの復興一宮城県太平洋沿岸での検討事例一

摘要

2011年東北地方太平洋沖地震では，内陸直下型の2004年中越地震，2008年岩手?宮城内陸地震などに比べると，地震規模の割には自然斜面での崩壊?地すベり?土石流等の災害発生はそれほど多くなかった。一方で，あまりにも広範囲?激烈な津波被害の発生から，復興において，いわゆる高台が改めて重要視されている。不幸にして多くの犠牲者が出た宮城県女川町では，急傾斜地崩壊防止対策と併せて整備された斜面の利用を目的とする国庫補助事業で作られていた階段を使って多くの住民が避難することができた。