平成16年度第50回仁科記念賞

摘要

「原子核乾板全自動走査機によるタウニュートリノの発見」に対して，2004年度の仁科記念賞が丹羽公雄氏（名古屋大学大学院教授）に授与された．素粒子の標準理論によると，タウニュートリノ（ンT）はタウ粒子（T）と対になっている．タウ粒子は1975年にすでに発見されているが，タウニュートリノの存在は長い間未確認のままであった．丹羽民ら名大グループは，1950年代に日本で宇宙線研究のために考案された原子核乾板（ェマルショ／をフイルムベースなどに塗布したもの）をスタックにしたモジュールとシンチレーティング·ファイバー層を組み合わせた装置を製作し，1994年から米国のフェルミ国立加速器研究所の加速器ビームに照射する実験を行い（DONUT実験），原子核乾板中にタウ粒子甲崩壊飛跡を検出する。