鍛造型板厚大圧下による大ひずみ加工の基礎特性－鍛造型大圧下加工による微細粒鋼創製技術I

摘要

著者らは，発想を変え，熱間圧延工程の粗加工に圧下量制約のない1パス大圧下を可能とする自由鍛造方式の加工方法の導入を提案した．これは，粗加工の高温域で大ひずみ加工を加えることでオーステナイト組織を微細化し，仕上加工での圧延反力を低減して効率的に結晶粒を微細化するという考えに基づく．従来，熱間スラブの板幅方向圧下を行うサイジングプレス装置が実用化されているが，鋼板製造を目的とした板厚大圧下鍛造加工技術に関する報告例はなく，組織の微細化に大きく影響する変形特性や装置実用化の観点での負荷特性など不明な点も多い．そこで，本報では硬質鉛を用いたモデル実験と有限要素解析により1パス圧下率60％以上の大圧下を断続的に行う際の材料の変形と負荷特性について検討する．