熱間圧延を利用して金属基複合材料をクラッドさせた超塑性アルミニウムクラッド仮の作製

摘要

粉末冶金とその後の高温押出と高温圧延から作製したA2017合金およびTiN/A2017複合材料の2種類のプレート材について，それぞれを重ねて高温圧延し，タラッド板を作製した。 そのクラッド板について，引張試験とブローム成形によって高温変形特性を調べ，加えて表面特性を調べた結果,以下のことがわかった．（1）A2017およびTiN/A2017を同じ1mmずつの初期厚さで重ねて，818Kで熱間圧延をした結果，1：1の板厚比率で2層の断面を持つMMCクテッド板が作製された．（2）タラッド板は793Kでひずみ速度が8.3 X 10~(-3)s~(-1)での変形条件で257％の全伸びと0.3を超えるm値が得られ，超塑性が発現された。 （3）クテッド板の超塑性領域での全伸びは,基材のA2017とTiN/A2017との中間の値を示した．（4）クラッド板の超塑性領域での流動応力も，基材のA2017とTiN/A2017との中間の値を示した。 しかし，2つの基材とタラッド板の3種の流動応力の差は，ひずみ速度の変化による応力増分に比べて，小さかった．（5）クラッド板の表面特性は，両面で異なり,一方に硬く，耐摩耗特性があり，MMCの利点を生かしたクラッド板であることがわかった。 （6）クラッド板を超塑性領域でブロー成形した結果，TiN/A2017が張出し部の外側にあっても，内側にあっても，ぼぼ同じ張出し高さのバルジ成形ができた．また，TiN/A2017が張出し面にある方が，成形後の表面性状において，光沢のある成形体が作製できた。