板材の軸対称ブロー成形における自由張出し形状と応力分布

摘要

超塑性ブロー成形を想定した速度依存構成式σ＝kε~mに従う板材の軸対称自由張出し変形過程を，解の一意性を損なうような余分な仮定を置くことなしに解析した。同時に，この解とほきんど完璧に一致する理論的に精度の保証された応力分布関数を提唱し,これを用いた簡単かつ迅速な実用的解析手法を示した。 この手法により，ひずみ速度が最大となる中心で超塑性発現の最適ひずみ速度に保持する最適圧力負荷スケジュールが解析された。 そして，その最適圧力負荷スケジュールで成形する際の応力分布や板厚分布，断面形状などを種々のm値に対して示した。 従来の解析で円弧を仮定していた断面形状は，変形初期に最も円弧から外れており，変形の進行とともに円弧に近づき，外縁傾斜角90°近くでは，外縁近傍を除きほとんど完全な円弧になることが理論的に明らかになった。