高強度鋼板の円筒穴広げ成形性に及ぼす形状および金属組織の影響

摘要

近年，自動車車体の軽量化および衝突安全性の向上を目的として，高強度鋼板の適用による部品の薄肉化が図られている．ところが，高強度鋼板は軟鋼板に比べて延性が低く，成形時の破断やしわの発生が顕著となる．最近では，特に伸びフランジ成形部位にて生じる破断が顕在化している．そのため，伸びフランジ破断の発生メカニズムや予測手法に関する研究が数多くなされている．一方，本研究においては，伸びフランジ成形部位の塑性変形挙動が金型やブラングの幾何形状によって変化し，伸びフランジ成形性に影響を及ぼす点に着目してきた．本報では，研究内容の概要について簡単に述べる．