原子炉材料の安全性への疑問：設計技術からみた原子力発電の安全性（その1）

摘要

4月25日起きたJR西日本電車転覆脱線事故のニュースを見ながら技術と安全性の問題を問う必要性を改めて感じた．詳細はまだ事故調査委員会が調査中であるが，副次的要因として車体の横揺れやブレーキのトラブルが関係していた可能性等もある．我々にとってショックなのは，航空機や新幹線ではなく日々我々が乗っている通勤電車であっても一度事故を起こせばあれほどひどく車体がクラッシュして多くの犠牲者をだしてしまうことである．つまり，機械や構造物を作ると言う，技術を世に送り出す側の観点からすると，構造強度面よりも保有する潜在的な破壊エネルギーの方が大きく，万一事故が生じると本質的なフェールセーフを確保できないものであると言うことを再認識させられた．