現場の熱処理学（1）- 亜共析鋼の熱処理

摘要

描かれた機械部品の設計図面が絵に画いた餅にならないためには，使用する金属材料とその熱処理法を正しく指定しなければならない．本稿は，現場の実情に即した視点より，筆者の多少の経験をこれに交えてあえて脱線を恐れず，時には過去にさかのばり，なかにはすでに置き去られた技術を述べながら，再検討すれば明日の糧となるものも指摘したい．また，時には現在を越え未来を思考し，現状で残されている問題点も述べたいと思う．