繊維強化複合金属の熟間摩耗特性と熱間圧延特性

摘要

鉄鋼製造プロセスにおける熱間圧延工程の更なる生産性向上や高強度製品の生産量増加にともなって，熱間圧延ロールに対する一層の耐摩耗性，耐焼付き性，耐肌荒れ性および耐事故性などの性能の向上の要求が高まっている。現在，熱間圧延用ロールとして使用されているのは，高硬度のMC型炭化物とM，C3型共晶炭化物とを主として晶出させたハイスロール材である。それまで使用されていた高Cr鋳鉄ロール材よりも高硬度の炭化物の晶出量が多いことから，耐摩耗性や耐焼付き性などの優れた性能が確認され，1990年代初頭に導入が開始されて以来，操業上で顕在化したハイスロール材の課題に対して材質改善や製法見直しを加えながら，現在も熱間仕上圧延の前段および中段で使用され続けている。