冷間タンデムミルの板厚張力制御系における張力目標値の最適化

摘要

冷間圧延において，圧延される板材の板厚精度や形状品質の向上が必要となっている。特に，加減速時には，圧延速度変化により，圧延材とロール間の摩擦係数などが変化し1），圧延荷重や板厚が変動する2）。そして，最終スタンド出側板厚の変動を防止するために，板厚制御系が導入されている。この板犀利御系には種々の形態が考えられるが，対象の圧延機に応じた適切な制御則を見いだす必要がある3）。当社の冷間タンデムミルにおいては，板厚***形状品質の確保および安定生産のため，全スタンドの出側板厚および全スタンド間張力を制御する板厚張力制御系を採用している4）。ここで，張力制御に関しては，圧延速度がほぼ0近傍の極低速になる場合があることから，圧延荷重の大きな変動を防止するため，張力目標値を圧延速度に応じて変更することとしており，張力目標値と圧延速度の関係を張力カーブと呼んでいる。板厚精度を改善するため，この張力カープの最適化を行うこととした。