船と金属(11)：動揺，振動，騒音

摘要

2001年9月3日，筆者はセルゲイ·エセーニン号に，モスクワの川駅（客船の発着する桟橋）から乗船した．7日間の船旅の始まりである．セルゲイ·エセーニン号（長さ90m，幅15m，高さ11.4m）は1350トンの客船で，1984年にオーストリアで建造された鋼船である（写真1参照）．船旅はモスクワ（海抜161.75m）からサンクトペテルブルグ（海抜1.5m）まで，水路で行くというものであった．船はモスクワ川から「モスクワーボルガ運河」（通過の間に，海抜は161.75mから113.0m に下る．水位を調整する閘門（こうもん）がいくつもある．全長129km）を北上し，ボルガへ出る．ボルガを北東に150kmぐらい下ったところにリビンスク湖（海抜102.0m，南北に90kmある）という巨大な人造の貯水池がある．