焼結鉱品質改善と装入物分布調整による高微粉炭比操業

摘要

85年7月中旬に火入れし10年以上を経過している室蘭2高炉では，1998年初より，嘩結鉱Al_2O_3を低下させることなく，高出銑比（稼働時で2．2t/d/m~3前後）条件下での高PCR·低FR操業を達成した。 （1）焼結鉱品質改善と分布制御性の良好な新型シュートによる鉱石流れ込み抑制型装入パターン調整により,5以上の高O/C条件下でも中心流が強化された逆V型融着帯が形成され，ガス流の安定化通気性の大幅改乱炉下部充填構造の改善が認められた。 （2）休風時の羽ロサンプルの解析結果では，融着帯そのものである未溶融ホールドアップの金属鉄形態およびスラグ組成から，炉下部の還元状態が改善されていることが確認された。 （3）高出銑比高PCR操業の長期安定操業技術を確立するためには，炉下部の充填構造を常に過敏性·通液性の良好な状態に維持することが必要であり，融着帯以下での滴下スラグと微粉炭由来のAshとの反応·同化挙動の解明と制御が今後の主要課題のひとつである.