プラントエンジニアリング·メモ：第42回 安全弁吹出し量（火災時）の算定

摘要

化学プラントを構成する反応器や蒸留塔などの装置は，どのような事態が起こっても内外の圧力差に耐えることが必要である。すなわち予期せぬことにより装置にその許容応力以上の圧力差がかかる場合でも装置が破壊されることは絶対ありえないようにしなければならない。なおこの場合の圧力差というのは一般に大気と装置内部圧力との差を指している。そのようないわゆるエマージェンシー（緊急）時に過圧分をフレア系など外部に放出して装置内圧力を設計圧力以下にする安全装置（安全弁，破裂板）の作動が，プラントの安全にとって最後の命綱となる。その安全装置のサイズを決めるのは，過圧源となるガス流体の吹出し圧力，温度，分子量と吹出し流量であり，その相当分の系外への放出により安全装置が吹止まりとなれば，装置の安全が保たれたことになる。ここでは火災時に焦点をあてて，吹出し量算定式の導入について述べることとする。