粉体技術とナノテクノロジーの接点：ナノテクを支える究極のナノ粒子ハンドリング

摘要

21世紀の産業を支える重要技術として，ナノテクノロジーが強く認識されるようになってきた。 ナノの領域を高度に制御された方法によって人為的に加工あるいは構築しようとする技術である。 材料科学，エレクトロニクス，生命科学，創薬·医療など幅広い分野で大いなる進歩をもたらすものと期待され，その要素技術の開発が現在精力的に進められているところである。 本稿では，その要素技術の一つとして研究開発してきた，ナノの領域を高い分解能で観る，触るを可能にする走査型プローブ顕微鏡(SPM)のナノチューブ探針，さらにナノサイズの物体を摘む，搬送する，加工する，物性を計測するなどの機能をもつナノチューブピンセットとナノマニピュレータについて概説する。