ハイテン材のプレス成形技術最新動向：ウルトラハイテン材の温·熱間プレス成形技術

摘要

自動車の燃費向上を目的として自動車の軽量化が望まれており、ハイテン材の自動車部品への利用が急増している。 ハイテン材の強度はめざましく向上しており、Dual Phase鋼などによって引張強さが1GPaを超えるウルトラハイテン材も開発されるようになってきている。 近年、自動車の軽量化としてアルミ合金板が注目されてきたが、表1に示すように、ウルトラハイテン材はアルミ合金板よりも比強度が高い。 テルミ合金板と比較してコスト的にも有利であることから、自動車産業ではウルトラハイテン材の利用技術の開発が望まれている。 ウルトラハイテン材は非常に高強度であるが、それを製品に成形する技術が確立されていないため、大きな問題となっている。 超高張力鋼板では成形荷重が大きくなることから、成形除荷時の弾性回復で戻るスプリングバックも大きくなり、形状凍結性が低い。 また、常温においては延性が低く、成形中に破断を生じる。 そこで、スプリングバックと延性の問題を解決するために、温·熱間プレス成形が注目されている。 また、熱間プレス成形において、ダイによる急冷で焼入れ強化も行うダイクエンチ法も開発されており、引張強さが1.5GPaにも達する。