運輸部門のエネルギー消費動向と省エネルギー対策

摘要

近年の原油価格の高騰により，エネルギーの供給安定性に対する問題意識が高まっており，エネルギー効率をより一層向上する必要がある。また，2005年2月に京都議定書が発効し，日本は第一約束期間において1990年比で6％の温室効果ガスを削減することとなった。 この点からも，すべての分野におけるエネルギー効率のさらなる向上が急務である（図-1参照）。 代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の日本国内での排出量内訳をみると，産業部門が全体の約半分を占めている。 しかし，各部門の増加率に注目すると，産業部門の13.3％（2002年と1990年の比較）に対し，民生部門では34.5％，運輸部門（旅客）でほ39.5％となっており，運輸部門の増加率が最も高い。