熱交換器の設計と最近の着目点

摘要

必要に応じて加熱または冷却された流体の，その利用して不要になった温熱または冷熱を，近接する配管の中を流れる他の流体に移動交換して，その廃熱エネルギーを資源熱として回収する装置が熱交換器である。 この意味から熱交換器は省エネルギーを実現する重要な装置であり，その設計には次の2つの視点が考えられる。 第一に，対象資源熱をどの流体に移動して，いかに有効利用を図るかという視点である。 そしてもう1つは，定まった熱移動操作をいかなる形式の熱交換器を選択して最大限の熱エネルギーを回収するかである。前者はプロセス設計，後者はサイジング設計に属し，その運転に要する動力エネルギーと装置資源も最小にすることが求められる。 本稿では，プロセス設計とサイジング設計についての着目点，そして最近の動向を紹介する。