タンタル代替ニオブコンデンサ誘電体皮膜の成長挙動と特性

摘要

アルミニウムやタンタルなど、バルブ金属の緻密なアノード酸化皮膜を誘電体として利用した電解コンデンサは、比較的安価に種々の用途に適応した特性を提供することが可能なため、古くから実用化が進んだ。 昨今、電子機器の小型高密度化への要求が高まり、コンデンサ用誘電体酸化膜の特性改善は重安な課題で、誘電特性の制御因子の解明が待たれている。 中でも、タンタル電解コンデンサの誘電体として、ペレット状に成形した焼結粉末のアノード酸化により成長するTa_2O_5皮膜が、小型コンデンサに広く利用されてきた。しかしながら、タンタルの資源と供給は十分でなく、価格の安定性にも不安があり、希少な金属であるレアメタルの代替研究が、政府の科学技術政策における元素戦略の対象として推進される状況となった。