知能材料と材料開発－材料の高機能化と知能化－IV. 知能材料と変換素子

摘要

外的因子に反応して再生、防御などのさまざまな機能を発現させるのが知能材料である。 生体材料はこのようなことを組織的に行っているが、生体内で行われている詳細な情報の内容や変換の状況は分らない。 しかし生体材料は一般の工業材料と異なり、外的因子に対してはこれを防御し、損傷に対しては修復、回復の機能をもつことは事実である。 そこでこのような機能を一般の材料に付与するためには、外的因子を何らかの形で材料内に取り込み、これを情報として伝達させるための要素が必要である。 このような要素を感知素子、変換素子と言う。 感知素子·変換素子は、いろいろな形で材料内に受け入れられる外的因子をそれぞれのニーズに対応した形で情報として感知、変換するための素子で、これをプロセッサー部やアクチュエーター部に伝達し、それぞれの外的因子に応じた対応がなされねばならない。ここでは、このような感知素子、変換素子について具体的な材料の知能化のための素子として圧電素子、形状記憶合金、電気粘性液体などについて検討する。