土壌くん農消毒と堆肥施用性

摘要

新興の野菜生産団地では、通常三～明年過ぎる頃から病害虫による被害が恒常的に発生してくる。 特に施設化の進んだ軟弱野菜中心の生産地では、周年的に連作する栽培型か多い。 このような地域においては、主たる作付け作目に適合した特定種の病害虫が増加してくるが、中でも土壌伝染性病害が発生すると生産農家にとつては、深刻な問題となる。 この対応策としては、栽培を新地に移すか、作目の種類を変えるかあるいは防除対策を講じて同一場所で作り続けるかの選択にせまられる。 筆者は後者のことについて、被害発生圃場で効率的土壌消毒法を検討してきたが、これまでのところ、クロルピクリン剤によるマルチ畦内くん蒸消毒が速効的で最も的確に短期間で効果を現わすと考えている。 ただ、近年は有効性ばかりでなく自然環境に負荷の少ない持続的な技術が求められており、この観点から最近は土壌消毒時の堆肥施用が土壌微生物相に与える影響について調査しているので、ここではこれらの結果について記し参考に供したい。