透明導電膜の中でも,スズをドープした酸化インジウム膜(Indium Tin Oxide:ITO膜)は,数千?の膜厚で90%以上の可視光透過率と10Ω/口以下の低シート抵抗を兼ね備えているため,液晶ディスプレイ(LCD),有機ELおよびプラズマディスプレイ(PDP)などフラットパネルディスプレイ(FPD)の透明電極はもとより,太陽電池や調光ガラスにも幅広く利用されてし)る。ITO膜がSnO_2やZnO膜に比べてこのように透明導電膜として利用されている理由としては,①比抵抗の低さ,②ガラス基板に対する強い付着力,③可視光に対する高い透過率,④適度な耐薬品性,⑤電気化学的な安定性を併せもつからである。 このように透明導電膜の代表的材料であるITOの薄膜化技術における現状と課題および今後の展望について解説する。
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