圧力機器の供用適性評価技術第2報各種減肉評価法と破壊安全性の検討

摘要

以上の議論を考慮すると,以下の解釈が可能と考える。 FFS評価によって予測された破壊圧力と実験による破壊圧力の比はほぼ1亡0でかつばらつきも十分小さいことから，この手法は十分正確である。 実際の破壊で支配的となる流動応力で検証すると下限値もほぼ1.0とをっているため，精度に関しては，追加の係数で補正する必要はない。 きずのある容希の破壊試験で見られる安全係数（再定格MAWPと実物の破壊圧力の比（MAWP ratio））の下限値は約2.8である。 これは,健全な容器の破壊試験でみられる安全係数の下限値（理論値の約3.0）とほぼ同じであることから，きずのある容器は,健全を容器の破壊に対する信頼性の範囲内を維持している。 健全な容器もきずのある容静も，安全係数（破壊圧力とMAWPの比）ほほぼ同様な分布を示しており，平均値で見た場合には,健全な容器ときずのある容器はほとんど遜色がない。 したがって，今回採用しようとしている減肉評価方法は十分に安全である。再定格MAWP自体にはそもそも安全率が含まれており,そのように安全率を含んだMAWPと破壊圧力の比はばらつきは小さく,なおかつ2倍以上の余裕があるので,今回採用しようとしている減肉評価方法は十分に安全である。